【56】資本主義、社会主義、共産主義の違い

資本主義vs社会主義vs共産主義
どうしてこの3つの主義が生まれたか
その違いと背景を順を追って解説
現在世界にある社会主義国
中国
北朝鮮
ラオス
ベトナム
キューバ
の五か国しかない
それ以外の国は資本主義国
資本主義は
自由競争格差社会
社会主義は
競争のない平等社会
社会主義は資本主義の矛盾を
解消するためにできたもの
共産主義は社会主義が目指す
最終的な世の中のカタチ
つまり
管理者がいない平等社会を
目指したもの
なぜ?
この考えができたのか
今からおおよそ150年前
ドイツの学者カールマルクス
「かつての人間は争いも格差もなく
幸せに平等に暮らしていた」
と説いていた
ところが
いまとなっては
「労働者は雇い主の金を増やすため
だけに生きていないか」
モノを持っている人と
モノを持っていない人の間に
支配関係が生まれている
じつは
この支配関係が争いを
生んできたのでは?
平等にすべてのモノを共有しよう
このマルクスの考え方が
共産主義だ
労働者が稼いだお金で社畜を増やし
また稼いだお金で社畜を増やす
これをSTOPできれば
人類が繰り返してきた
悲惨な争いをなくすことができる
とマルクスは考えた
さらに自由な活動を行う
資本主義は不況を生み出して
社会を混乱させている
とも指摘した
好景気とは
とにかくモノをたくさん作る
しかし
モノを作りすぎれば売れなくなって
不況になる
そうすると
従業員がクビになって
町に失業者があふれてしまい
社会が不安定になる
そこでマルクスは
国がすべて計画してモノを作ればよい
国がすべての人を公務員として雇い
平等に給料を払えばよい
と主張した
これが計画経済だ
つまり
モノの共有化
資本主義に対抗するものだ
マルクスが掲げた共産主義は
国も会社もなく
すべてのモノが平等に共有される
国民の利益も幸福もMAX
社会主義は
共産主義を実現するための
ひとつのステップで
国がすべてのモノを所有
国民全員にモノが分配される
そして
資本主義を変えるためには
「全世界の労働者よ
いまこそ団結の時が来た」
「力づくで革命を起こせ」
マルクスがこの世を去った後
彼のこの主張は
世に大きな影響を与えた
ロシア革命
1917年ロシアでは
労働者を中心とした暴動が起き
ロシア史上最後の王朝である
ロマノフ朝が滅亡した
こうして世界初の社会主義国
ソ連が誕生した
マルクスの理論にそって
あらゆるものを国が管理
計画経済が実行された
この計画経済のおかがで
1929年に起きた世界恐慌を回避
ソ連は世界有数の大国へ成長した
1945年第二次世界大戦終了後
ソ連は戦勝国として
大きな影響力をもった
ナチスドイツによって
占領されていた東ヨーロッパを
事実上支配下におさめ
多くの国の共産化を実現した
ドイツでは東半分を
社会主義国家として成立させたが
その中のベルリンだけは
その半分をアメリカやイギリスなどが
分割して統治していた
社会主義の東ドイツの中に
資本主義の西ベルリンが存在した
「これが有名なベルリンの壁」
その後
世界各地で社会主義国家が増えた
その代表は
中国
北朝鮮
キューバ
ベトナム
ラオス
これらの国々は同じく
共産主義をめざす社会主義国として
ソ連を中心に
社会主義・共産主義の東側
アメリカやイギリスなど
自由主義・資本主義をとる西側
と呼ばれて世界を二分化した
こうして大規模な戦争には
発展しなかったものの
「冷戦」といわれる
緊張した時代が続いた
結局
マルクスが理想とした
共産主義を実現した国はない
現在の社会主義国のように
多くの国が独裁国家となり果てた
つまり
国の力が強すぎて
国民に自由はなく
目指していたた共産主義から
遠く離れた
しかも社会主義国では
政治だけではなく
経済も発展しなかった
計画経済では
働いても働かなくても
クビにはならないし
お給料も増えない
頑張らなくてもお金をもらえる
いつまでたっても発展しない世の中
こうして
社会主義国は
貧しい国のイメージが定着した
そして
資本主義と社会主義の対立の
象徴だったベルリンの壁が
1989年に崩壊
東西ドイツが統一され
社会主義の崩壊が一気に加速
1991年にソ連が解体
冷戦が終結した
ちなみに
中国やベトナムは
社会主義のままで
計画経済を放棄して
国の管理のもとに自由競争を行う
国家資本主義として発展している
おわり