【80】お金が「すでに死んでいる」?!米ドルはゴミ!

米ドルは「すでに死んでいる」お金とは?ゴミだ!
ヘッジファンド帝王のレイダリオが
以下のように言っている
「米ドルが永遠に世界の基軸通貨
でいられる保証はない」
「お金はゴミだ」
「インフレを埋め合わせする
だけの金利を得られない
だから
お金のコストを考慮したい
金利を考慮するとき
債券レートを見るのか
キャッシュレートをみるのか
確実にキャッシュでは金利は取れない
われわれは素晴らしい
シュガーハイの状態で
それは現金給付などから来ているが
それはキャッシュに対し
他のすべての価値を引き上げている
お金を借りることは簡単だから
そういうメカニズムになっている」
世界の基軸通貨米ドル
アメリカドルは過去70年にわたり
基軸通貨として君臨してきた
世界の安全資産として
有事のドル買いが
相場の格言となっている
レイダリオレポート【お金の価値の変化】
お金とは
富の保存ができるもの
基軸通貨をもつ国に
典型的なサイクルがある
そのサイクルは
6つのステージに分けられる
第1ステージ
借金がない状態か
ほんの少し借金がある状態
ハードマネーが力を発揮するステージ
昔は
小麦や米などがハードマネーとして
お金の代わりに使われていた
現代では
「ゴールド」がハードマネー
とすれば一番想像しやすいだろう
欲しいものを手に入れるため
ゴールドを交換の手段として
使っていた
ステージ1はとてもシンプル
借金がない
ハードマネーの時代
第2ステージ
ゴールドやお米、小麦など
のハードマネーは持ち歩きに不便だ
そこで
人類は「紙幣」を発明
そして
紙幣の価値を担保するため
ゴールド本位制度が作られた
これは
紙幣の価値を
ゴールドに裏付けられた形で
その金額を示すもの
よって
あらゆる商品の価値は
ゴールドの価値を基準にする
しかし
1971年に
当時のアメリカのニクソン大統領は
米ドル紙幣とゴールドとの
兌換の一時停止を宣言し
世界に激震が走った
第二次ニクソンショックだ
それまで
基軸通貨として米ドルだけが
ゴールドと交換できたが
米ドル紙幣が増えすぎたため
ハードマネーであるゴールドの量との
バランスが崩れてしまった
この第二次ニクソンショックは
貨幣の歴史で
最も重要なイベントのひとつだ
そして
人類はゴールドというハードマネー
の裏付けを気にすることなく
好きなだけ
紙幣を刷ることができる
ようになった
これはすさまじく強力な武器だ
第3ステージ
「借金」が増えていく世界
人類はローンを発明し
さらに豊かになった
ローンを組んで1億円借りれば
何かに投資し
たとえば
ビジネスを大きくできる
チャンスを得たのだ
いま借りて、将来返す
一見素晴らしいシステムだが
人類の欲望にはキリがない
つまり
将来に返せないほどのローンを組み
借金が積み上がってしまう
第4ステージ
ここで債務危機とデフォルトが起きる
多くの人が
銀行からお金を引き出そうとするが
じつは
銀行にはそんなに多くの人が
手に入れられる現物のお金はなく
取り付け騒ぎざたになってしまう
そうなると
銀行はデフォルトとなるか
政府によって救済されることに
実際に
1930年代に
このようなことが沢山起きた
第5ステージ
「法定通貨」が主役の時代
これは
現在の人類が生きている世界だ
ハードマネーでは
できることが限られてしまう
そこで
それぞれの国で「法定通貨」を作り
各国でお金の価値を保証し
政府お墨付きの法定通貨は
中央銀行がどんどん刷ることが
できるようになった
これが
レイダリオのいう
Long-Term Debt Cycle
「ロングタームデットサイクル」
の始まりだ
このステージでの出来事は
人類や企業がさらに欲深くなり
さらに経済成長しようと試み
そして
さらに多くの借金を積み上げる
しかし
最終的に
その借金を返すことができない
そうなると債務危機が起き
さらに
紙幣を刷り
埋め合わせを試みる
もちろん
2008年と2020年に起きたことは
まさに
直近のコロナ危機にて
世界経済が麻痺すると
世界の中央銀行は
足並みそろえて大量の紙幣を刷り
株式市場と経済を救った
ようにみせた
しかし
大量の紙幣を刷りすぎれば
「お金の価値」が減ってしまう
これは当たり前で
量が少ないほうに価値がある
ちなみに
現在の株式市場では
株が上がったのではなく
まさしく
お金の価値が下がったのだ
そして
結果として株が上がった
量が増えると価値が下がる
この状況は
紙幣をたくさん刷れば
起こり得る現象だ
お金の価値が下がれば
人類は「富の保存」ができるツール
としてお金以外のものを探しだす
これは
紙幣を刷るたびに起こる
そして
お金の価値は
どんどん下がっていく
第6ステージ
ハードマネーへの回帰
人類はお金の価値が下がると
不動産
株
ゴールド
他の法定通貨
仮想通貨
などを探し始める
ちなみに
レイダリオの会社が提供する
典型的なデットサイクルでは
現状にて
世界中で
紙幣が刷りまくられている
よって
なんらかの
リストラクチャリングが起きる
のは必至だ
それが社会にどんな影響
を及ぼすか未知数だが
株式市場や経済に
なんらかの打撃を与えるのは必至
ちなみに
通貨の歴史を振り返ると
1700年以降
通貨は750種類もあった
しかし
現在でも生き残っている通貨は
そのうちの
たった20%ほど
そして
その生き残った
全ての通貨の価値が下がっている!
現在の基軸通貨の米ドル
その前の英ポンド
さらには蘭ギルダーも
例外なく
ゴールドと比較した
お金の価値が下がっている
通貨の価値が下がるには
パターンがある
ひとつめは銀行ローン
より豊かになるため借金をする
ふたつめは借金の蓄積
借金がどんどん積みあがっている
みっつめは紙幣の過剰な印刷
よっつめは新しい力の台頭
経済的
軍事的にも
現在の新しい力とは中国
しかし
中国人民元が
基軸通貨になるかは
現状では懐疑的
これは過去500年にわたる
基軸通貨の歴史と同様
オランダ
イギリス
アメリカ
と世界の覇権は推移しているが
なんといっても現在は
中国の勢いが凄まじい
われわれはどうすればよいか
レイダリオによると
一国の通貨のみならず
さまざまな国の通貨
さまざまな資産をもつこと
われわれは株をもってるならば
その価格の上下に一喜一憂する
しかし
通貨の価値の上下には
無頓着だ
お金の価値が下がったとき
それを多くの人々が気づけば
お金に代わる
富の保存になるものを
探し始める
株
不動産
ビットコイン
がわかりやすい例だ
われわれは過去に前例のない
ブームと破綻の真っ只中にいる
バブルと崩壊
われわれは歴史から学べるのだが
決して学んでいない
だから
何度も
何度も
バブルと崩壊を繰り返す
レイダリオ曰く
「生きている人は目撃してないが
歴史は起きたことが今後も起きる」
さいごに
レイダリオが
借金とお金について
語っていることをみてみよう
「今起きていることは
われわれが生きている間には
起こらなかったことだ
しかし1930年から1945年の間
には起きたことだ
今のお金は行き場がない状態だ
われわれは稼ぐよりも
多くのお金を使っている
そうせざるを得ない状況だ
なぜなら社会的再分配の必要があり
それは税金ではまかなえないからだ
紙幣印刷でまかなわれる
そういうメカニズムだ
だから何が起きるかというと
お金をもっと貰えるということだ
よって
お金の価値は減る
現金はゴミなんだ
インフレを埋め合わせするだけの
金利を得ることができない
だからお金のコストの考慮が必要だ
金利を考慮するとき
債券レートをみるのか
キャッシュレートをみるのか
確実にキャッシュでは金利はとれない
われわれは
素晴らしいシュガーハイの状態で
それは現金給付などから来ているが
それはキャッシュに対して
他の全ての価値を引き上げている
お金を借りることは簡単だからだ
そういうメカニズムだ
それが今起きることで
インフレを生み出している
わかっていることは
金利はインフレレートよりも
低くなくてはならない
名目成長率よりも低くないといけない
現在の借金に対処して
財政ファイナンスを続けるためには
そうでなくてはならない
そして
それがお金の価値を毀損するの
だから
お金以外のものに
投資をしなければならない
それがダイナミクスだ
マーケットに対しては強気で
たとえば
アメリカ株の期待リターンを考えた時
ディスカウントキャッシュフローなど
計算して導き出される期待リターンは
3.5%~4%程度だ
キャッシュに対してのリターンよりマシだ
株式が高くなるにつれて
期待リターンは下がっていく
バブルが作り出される過程だ
他の言葉で言えば
低リターンになる
リターンが低くなり金利が上がる
クッションが小さくなっていく
そのクッションが小さくになるにつれ
危険は高まっていく
それが今まさしく起きていることだ」
おわり